二十四節気別おすすめ

小寒 (しょうかん 1/5頃)におすすめの和菓子3選

此の花

此の花は山芋と白あんを混ぜて作る薯蕷きんとん菓子の一種です。此の花は梅の花の別名であり、初春の象徴でもあります。その梅の花をお菓子で再現することにより、春の到来を待ち望む気持ちを表現することができるのです。

薯蕷きんとん菓子は山芋のもっちりとした食感と白あんの濃厚な甘味を持つ和菓子です。和菓子としては珍しい、後を引く力強い風味を持っている此の花は冷え込みが厳しい小寒の季節に最適な一品と言っても過言ではありません。

また、此の花は紅白の美しい色彩がひときわ目を引きます。これは雪の白さ、そして梅の花の赤色を表現しているのです。真っ白な雪原の中に紅色の花弁を付けて咲く梅の花を表現した此の花は食べるのがもったいないほどの美しさと言えます。

そのまま食べても美味しい此の花ですが、電子レンジでわずかに加熱することによって生地の弾力性が増し、より濃厚な甘味が堪能できます。

口取り菓子

小寒は正月に近い時期であるため、正月を祝う和菓子をそのまま楽しむことができます。口取り菓子は北海道と東北地方で古くから作られている餡菓子の一種です。

単に口取りと呼ばれることもありますが、元々はおせち料理の代用品でした。積雪によって流通網が寸断されることが多かった北海道や東北ではおせち料理の食材を入手することが困難であり、餡菓子をおせち料理に見立てたのです。口取り菓子は鯛やえび、だて巻きといったおせち料理の食材や宝船などの縁起物を模した物を複数盛り付けるのが一般的です。

現在ではおせち料理の代用品としての意味が薄れ、正月だけに食べることができる和菓子として親しまれています。

北海道や東北地方ではボピュラーな和菓子ですが、近年では知名度が向上したことによって地域に関係無く味わうことが可能です。

花びら餅

イラスト:花びら餅

花びら餅は平安時代の新年を祝う儀式で用意されたお供え物をモチーフにした和菓子です。花びらをイメージした桜色の餅でごぼうの甘煮を巻いた作りになっているのが大きな特徴です。

野菜であるごぼうを使うのは非常に特異なことですが、これは新年の儀式で供えられていた塩漬けの鮎を模しているためです。鮎の塩漬けをそのまま使うことができなかったのでごぼうが代用品になりましたが、桜色の餅の中に暗褐色のごぼうを置くことでインパクトのある色彩を演出することができたのです。

また、ごぼうのしゃきしゃきとした食感もひと口食べれば忘れられないほどの強い印象をもたらしますが、甘煮なので餅の風味は損なわれません。真冬のひと時にごぼうの食感と餅の甘味を堪能することで、春の到来を実感することができます。

 

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