和菓子辞典

塩大福の特徴・歴史・味

写真:代表的な塩大福

特徴

塩大福は大福の一種なので、普通の大福と見た目に大きな違いはありません。使用する皮や中身のあんこも基本的には同一なので、販売店によっては形を変えたり色を付けて他の大福と区別しています。

塩を含んでいるので長持ちするイメージがありますが、実際は砂糖の甘味を引き立たせる程度の量しか使っていないので、塩による防腐効果を期待することはできません。

また、和菓子に多く使われる塩はミネラルなどの不純物が含まれている岩塩が主流です。岩塩はまろやかな塩味なので和菓子作りに最適とされていますが、不純物が混ざっていることから防腐効果が低い特徴があります。

そのことも相まって、塩大福は決して長持ちする和菓子ではないことを把握しなければいけません。大福に使われているあんこは常温に置くと次第に風味が損なわれるのですぐに食べる必要があります。塩大福も例外ではないので、美味しく食べるには作り立てを選ぶことが大切です。

歴史・由来

和菓子の代名詞ともいえる大福ですが、その原型は古代中国の肉詰め饅頭とされています。

日本では肉食の習慣が無かったことから、茹でて潰した豆を肉の代用品にしていました。現在と同じ形の大福になったのは室町時代の末とされ、さらに塩大福ができたのは江戸時代の初期というのが一般的な説です。

当時は砂糖が貴重品だったことからあんこの甘味が少なく、原料である小豆の味が勝っていたのが普通でした。そのため、わずかな砂糖の甘味を引き立たせるために塩を加えたのが塩大福のはじまりとされています。

また、塩を加えるので味付けをより慎重に行う必要が生じました。微妙な調整ができるように、塩大福は小ぶりな作りが主流になりました。塩大福発祥の地ははっきりしていませんが、江戸の街で営業していた菓子屋が大々的に宣伝を行った記録が残っています。

写真:おいしそうな塩大福

風味・味

塩大福は店によって作り方が様々です。特に塩味の付け方に違いがあり、あんこに加えたり皮に練り込むなど、同じ塩大福の名前でもその風味はまったく異なる物もあります。

中には塩味を付けた大豆やエンドウ豆を加えた、塩味の豆大福を塩大福として扱う店も存在します。

自作する際はあんこに塩を加えて特有の風味を出す方法が最も手軽です。作り方は普通の大福とほぼ変わらず、あんこに塩を加える点だけが異なります。使用する塩は和菓子の風味を活かすため、ミネラルを豊富に含んだ岩塩が最適とされています。

あんこ作りも小豆を茹でて潰すのが基本的な作業ですが、小豆の質が口当たりの良し悪しを左右するので材料選びに妥協してはいけません。また、茹でた小豆の加工方法でつぶあんとこしあんに分かれることから、好みに合わせて選ぶのが美味しい塩大福を作るためのコツです。

 

和菓子分類

製法での分類:餅物

水分量分類:生菓子

主な材料

餅粉、白玉粉、片栗粉、豆類、砂糖、小豆餡、塩

※一般的な材料を記載しています。詳しくは製造元に問い合わせてください。

カロリー(概算)

1個(96g)で、232kcal

 

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