和菓子辞典

塩釜の特徴・歴史・味

写真:代表的な塩釜

特徴

塩釜は宮城県の塩竃地方の伝統的な和菓子です。米粉などにお砂糖、粉末状のしそやゆかり、塩を混ぜてそれを木型で押し固めて作ります。

見た目は真っ白で、所々にしその鮮やかな赤みが散らばっていて目にも美しいです。形はお店によってまちまちですが、主に正方形の形に一口大に割って食べることが出来るように折り線が入っています。

また、丸い形もありますがほとんどは一口大で食べやすいよう配慮されています。シンプルな製法は塩としそ、砂糖だけで味付けをしていますが、中にこしあんが入っているタイプもあります。淡雪のような見た目と食感、わずかに香るしその風味、アクセントの塩味が上品な味わいを生み出します。

香りづけには主にしそかゆかりが使用されていますが、中には海藻を入れて作るお店もあり、風味と食感の違いを感じることが出来ます。

歴史・由来

塩釜が生まれた歴史は古く、300年ほど昔に遡るとされています。塩釜の誕生には諸説ありますが、一説によると藻塩焼きの最中に、ホンダワラと言う名の海藻が塩に混ざってしまったことからヒントを得て作られたと言われています。

宮城県の塩竃地方は、古くから塩と密接な関係のある地域でした。塩竃神社では祭神の際にシオツチノオジという神様が塩の製法を伝えたと言われています。シオツチノオジに因んで塩釜が生まれたという説も存在します。

また、1769年には当時の仙台藩藩主に献上されたという文献も残っているほど、由緒ある伝統的な和菓子です。現在は塩竃地方や仙台のみならず、全国で作られるようになりましたが、塩竃地方には古くから塩釜を作る老舗の和菓子店が多く残っています。それだけ古くから地域の人々に親しまれてきた和菓子です。

イラスト:塩釜

風味・味

全体的に薄味で、素朴で柔らかく繊細な味です。ほのかな甘みと塩味のバランスが良く、心地よいシソやゆかりの風味が口の中に広がります。

中にあんこの入ったタイプだと僅かな塩味とあんこの甘みがより引き立ちます。あんこの甘みとゆかりの香りとの相性も良いです。食感はザクザクとした歯触りですが、口に入れるとふわっと溶け出します。同じ和菓子の落雁に似た食感を楽しめます。

シンプルな味付け、製法だからこそ素材や作る職人によって違いを見せます。昔ながらの素朴な甘みと食感を楽しみたい人には何も入っていないタイプ、もう少し甘い和菓子が食べたい人にはあんこ入りの塩釜など、シチュエーションによっても使い分けることが出来ます。どちらのお茶との相性も良いので、お茶請けとしても喜ばれます。

 

和菓子分類

製法での分類:打ち物

水分量分類:干菓子

主な材料

米粉、砂糖、しそ、海藻

※一般的な材料を記載しています。詳しくは製造元に問い合わせてください。

カロリー(概算)

100Gあたり、355kcal

 

-和菓子辞典

Copyright© 和菓子の季節.com , 2024 All Rights Reserved.