二十四節気のひとつ「清明(せいめい)」とは「清浄明潔(じょうじょうめいけつ)」を略した言葉で、すべての草花が清らかで生き生きとした様子を表しています。
時期は4月5日頃を指します。草花が生き生きとした様子を眺めるのは、心が華やぎますよね。この時期になると、花見を楽しみにする方は多いのではないでしょうか。花見のお供は、数多くあります。
三色団子
写真:三色団子
和菓子で言えば、三色団子を最初に思いつく方も多いはず。団子につけられた色には、それぞれ意味があります。
桜といった春を表したピンク、雪といった冬の名残を表した白、青々とした草といった夏を表した緑。日本の四季を三つの団子で表現しています。
春、夏、冬ときて、秋だけがありません。一説によると、「飽きない(秋ない)」という意味があるようです。花を愛でながら、ちょっとしたトリビアを思い出しつつ、三色団子を食べるとより、楽しいかもしれませんね。
※三色団子について、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-三色団子」を参照してください。
いちご大福
イラスト:いちご大福
農業の技術が進化することで、作物の旬があまり関係なくなっていますが、本来いちごの旬は春。春のいちごと他の季節のいちごでは、味や大きさに違いがあり、旬である春のいちごには清明の言葉に合う力強さがあります。
いちごのおいしい季節になると、和菓子メーカーから一斉に売り出されるものの一つに、いちご大福があります。餡子と大粒のいちごが丸ごと入っている、もっちりとした大福をほおばると、餡子のしっかりした甘さといちごのジューシーさと甘酸っぱさが口いっぱいに広がって、味覚から春を感じることができます。
お店によっては、大福の生地の色がピンクになっている商品もあり、さらに春らしさを感じることができます。
いちご大福は、賞味期限が短く、売り出される期限がどの店も決まっているので、春の味覚を楽しむことのできる期間はとても短いです。
いちご大福を見つけたら、ぜひ春の訪れと共に楽しんでください。
※いちご大福について、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-いちご大福」を参照してください。
桜餅
写真:桜餅
桜といえば、春の花の代名詞的存在です。桜の季節には、桜餅が広く出回ります。
桜餅の歴史は古く、享保二年(1717)に隅田川のそばにあった「山本屋」という店が初めて作ったと言われています。桜餅は関西と関東では、材料が違うことをご存知でしょうか。
関西では、道明寺粉、関東では、小麦粉で生地が作られています。その生地で餡子を包み、塩漬けにした桜の葉で包んだものが桜餅です。見た目だけでなく、桜の葉の香りが餅にうつることで、風味も含めて春を感じさせる一品になります。
桜餅でちょっとした論争になるのが、葉っぱを食べるか食べないか問題。高浜虚子の句の中に、葉っぱは食べないものだと示しているものがありますが、江戸っ子は食べるのが常識だと書かれている本もあり、諸説いろいろあるようです。
※桜餅について、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-桜餅」を参照してください。