月別おすすめ

長月(ながつき 9月)におすすめの和菓子3選

おはぎ

イラスト:おはぎ

9月に食べる和菓子として代表的なものが「おはぎ」で、彼岸の時に食べるお菓子として広く知られています。

彼岸とは先祖や故人を供養する期間で、秋分の日・春分の日を含んだ約一週間と定められています。この時期はお墓参りや法要を行い先祖や故人を敬う気持ちを示します。おはぎは先祖を供養する時に用意する和菓子として用意され、江戸時代後期からは近隣住民におはぎをふるまうという習慣が定着しました。

おはぎはもち米とうるち米を混ぜ、蒸して丸めたものをあんこやきな粉などで包んだ和菓子です。名前の由来は餅をくるむ小豆餡が秋分の時期に咲く萩の花に似ているからだと言われています。おはぎは春分の時期は「牡丹餅」と呼ばれていることは有名ですが、実は夏には「夜船(よふね)」、冬は「北窓」と季節ごとに名前が違うユニークな和菓子でもあります。老舗和菓子店では秋に「おはぎ」、春は「牡丹餅」として彼岸の時期を中心に販売していることがほとんどです。

※おはぎについて、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-おはぎ」を参照してください。

月見だんご

イラスト:月見団子

長月の大きな行事のひとつが「中秋の名月」。中秋の名月は旧暦の8月15日にあたり、新暦では9月に行われます。

この時期はススキなどを備えて農作物の収穫を祝うのが一般的。中秋の名月は中国から伝わった習慣で、中国では月餅をお供えしますが、日本ではススキと一緒に月見だんごをお供えします。

月見だんごはだんごを月に見立てたもので、お供え用には15個作らなければいけません。だんごの数は全国ほぼ同じですが、実はだんごの形は地方によって様々。関東は一般的なイメージの丸っこいだんごを作りますが、関西では楕円型やいも型に作ったものにきな粉をまぶして作ります。

また、月見だんごは通常何もかけない状態でお供えしますので、食べる時は平らにつぶしてから軽く焼きます。みたらし団子のタレをかけたり、あんこをつけて食べることがほとんど。月見だんごは風情を感じる和菓子として遠い昔から愛されている和菓子なのです。

※月見団子について、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-月見団子」を参照してください。

 

栗蒸し羊羹

イラスト:羊羹

秋の代表的味覚の一つである栗。旬の果物である栗をふんだんに使用した栗蒸し羊羹は長月を代表する和菓子のひとつです。

和菓子店によっては晩秋である11月まで取り扱いをしているところもあります。しかしいち早く秋の味覚を楽しみたい人は、栗蒸し羊羹を長月に食べる和菓子として支持している人もいるようです。

羊羹は「羊の羹(あつもの)」が名前の由来で、羹はスープを意味します。羊のスープは元々中国から伝わった料理ですが、禅宗では肉食が禁じられていたため、くず粉や小麦粉などで羊肉を代用し、これに甘みを加えたものが蒸し羊羹の始まりだと言われています。

栗蒸し羊羹は秋に収穫された栗の実をふんだんに使用し、ほっこりとした味わいと小豆のすっきりとした甘さが魅力です。一切れでも栗の満足感があるため、老若男女問わず愛されている和菓子です。

※ようかんについて、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-ようかん」を参照してください。

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