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霜月(しもつき 11月)におすすめの和菓子3選

素朴で優しい甘さの「きんつば」

イラスト:きんつば

江戸時代に京都で作られるようになったのが始まりですが、当初は刀の鍔の形と色を模した「ぎんつば」という名前の円形のお菓子でした。江戸に伝わった際に、銀よりも金の方が価値が高く縁起も良いとされたことから「きんつば」となり、生産効率の観点から形も現在の四角に変化していきました。かつてより縁起物として、お祝い時の高級な贈答品として用いられており、現在も結婚祝いや出産祝いなど、おめでたい場で登場する和菓子です。

あんこの甘さはすっきりとして、まわりの薄衣がほのかに芳ばしさを添えているため、見た目で甘そうだなと思ってもぺろりと食べてしまう方も多いのではないでしょうか。

秋の旬である栗やさつまいもが練り込まれたきんつばは、肌寒くなってきた季節にお似合いの、ほっこりと優しい味わいです。

※きんつばについて、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-きんつば」を参照してください。

無病息災や豊穣を願う「亥の子餅」

イラスト:亥の子餅

俳句の季語では冬を表す「亥の子餅」。無病息災を願い、古代中国で亥の月亥の日亥の刻(旧暦では10月ですが現在では11月初旬です)に食べられていたと伝承されています。

平安時代には日本でも宮中行事に取り入られており、源氏物語のなかでも光源氏と紫の上のくだりに亥の子餅が登場する場面があるそうです。亥は猪のことですから、子沢山な猪にならって子孫繁栄を願って猪の子ども(うり坊)の縞模様を餅の表面に付けたものが多く見られますが、亥の子餅自体の作り方や中身に決まりはなく、紅白だったり餅の表面に茹で小豆をまぶしたりと、地域によって様々なようです。

秋は収穫の季節であることから、豊かな収穫を願う「亥の子祭り」が今も各地で行われています。亥の子餅を神様にお供えしたのち、無病息災を願ってその亥の子餅を食べます。亥の子餅は、古来からの伝統がある、11月ならではの和菓子といえるでしょう。

の子餅について、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-の子餅」を参照してください。

秋の代表格といえば栗「栗蒸し羊羹」

イラスト:羊羹

栗蒸し羊羹は、小麦粉や葛と餡を併せて蒸し上げたものなので栗羊羹とは異なり日持ちがしませんが、涼しくなってきた季節ならではの和菓子です。

旬の代表である国産栗を用いた商品として、有名な和菓子店もこの時期にこぞって商品を売り場に登場させます。砂糖控えめのさっぱりとした甘さと、栗の存在が楽しめる逸品です。羊羹は苦手でも、まったく違うしっとりとした食感で優しい味わいの「栗蒸し羊羹」は食べられるという方もおられるのではないでしょうか。

一年のうち、この季節で数ヵ月のみの販売と銘打った商品も満を持して登場するため、お取り寄せサイトも各店舗の技を凝らした季節限定栗蒸し羊羹で盛り上がります。

仕事や勉強の合間に、食後のお茶のお供に、お腹に重たくならず季節を感じてほっとできる栗蒸し羊羹はおすすめです。

※羊羹について、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-羊羹」を参照してください。

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