薯蕷饅頭
薯蕷饅頭は薯蕷(じょうよ)と呼ばれる、芋類を皮に練り込んだ白い薄皮饅頭です。
中には小豆で作ったあんこが入っていて、ふんわりとした優しい甘さが特徴です。白露と時期が重なる中秋の名月にちなみ、薯蕷饅頭でうさぎの形にかたどったうさぎ饅頭は、いかがでしょうか。とても可愛くお子さんのおやつや、手土産にもおすすめの一品です。秋の夜に月を見ながら食べるお口直しに、ぴったりのお菓子ではないでしょうか。
薯蕷饅頭によく使われる山芋は、栄養価が豊富で美肌効果や免疫力アップが期待できます。ひんやりとした夜風が身体を冷やす時期に役立つ滋養強壮や疲労回復作用にも注目です。
また、水溶性食物繊維と、カリウムが多く含まれているので、胃腸を整えて便秘解消や、むくみやダイエット効果も見込めます。
菊の練りきり
イラスト:練り切り
菊をかたどった練りきりは、一年を通して愛される和菓子の定番です。しかし、意外に知られていませんが、菊は白露の頃に開花させる種類があり、秋の花としても有名です。菊の練りきりといってもデザインはさまざまで、丸い菊やはさみ菊の定番タイプから個性的なものなどたくさんの種類があります。
また、色も鮮やかなものが多く、美しいものが好きな方や来客用にも喜ばれる和菓子です。練りきりは一般的に上生菓子と呼ばれ、程よく水分を含み、それでいてしっかりとした食感の和菓子です。
材料は白いんげん豆などを潰したものと、砂糖などで甘味をつけよく練った白あんと求肥を使います。味は程々に甘く、苦味の強い抹茶などと良く合います。
涼しい秋風が吹く日に、暖かい飲み物と菊の練りきりでお茶の時間を楽しんでみませんか。
※練り切りについて、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-練り切り」を参照してください。
栗蒸し羊羹
写真:栗入り羊羹
栗蒸し羊羹に入れる栗の収穫時期は、早いものでは白露の時期に行われます。栗独特の芳醇な香りとほっくりとした食感に、小豆と寒天で作った羊羮のしっとり感が絶妙なバランスの秋らしい和菓子です。
また、蒸し羊羹は片栗粉などの澱粉を加えているので、他の羊羮に比べてもちもちとした食感も楽しめます。羊羮は未開封のうちは、常温で長期保存が可能なのも魅力です。
古来、栗は私たちの食生活に利用され、中医学では疲労回復効果や身体を温める効果が謳われています。さらに、栗は豊富な栄養素を含んでいて、中でもミネラルとビタミンが多く含有されています。例えば、ミネラルに分類される亜鉛は、活性酸素の除去や免疫力アップに効果があると言われています。その他に、風邪予防に良いとされるビタミンCや、細菌への抵抗力のアップを期待できるビタミンAも豊富に入っています。
※ようかんについて、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-ようかん」を参照してください。