甘納豆
イラスト:甘納豆
豆を砂糖漬けにした和菓子である甘納豆は、その濃厚な甘味から強い渋みを持つお茶との相性が最高と言えます。
また、和菓子の中では安価で購入できる庶民の味でもあることから、同様に安く購入できる番茶のお供として昔から珍重されてきました。
甘納豆は表面に砂糖の結晶が浮かんでいるので、一粒を口に入れるだけで強い甘味を堪能できます。しかし、そのままでは甘味が口の中に残ってしまうことから、口直しとして渋い番茶が最適です。
甘納豆は豆を原料にしていますが、地域によっては栗やサツマイモを加工したものもあります。こちらは豆よりも表面積が広い分、付着する砂糖の量も多いのでさらに甘味が強いのが特徴です。そのため、このような甘納豆は多めの茶葉を用いた非常に濃い番茶との相性がより際立ちます。
写真:番茶と相性バツグンの甘納豆
※甘納豆について、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-甘納豆」を参照してください。
あられ
イラスト:あられ
小さく切った米餅を用いた焼き菓子の一種であるあられは、和菓子には珍しくその多くが塩で味付けされています。特有の固さと強めの塩味、そして安価で購入できる点から番茶のお茶請けとして広く普及しています。
あられを番茶と一緒に味わう場合、先にあられを食べて塩味を堪能してから番茶で口直しをする他、予め番茶にあられを浸し、柔らかくしてから食べる方法もあります。
番茶は渋みが強い一方で香りが淡泊なことから、あられに番茶の香りが移ってしまうことはほとんどありません。
また、番茶の渋みもあられの塩分に影響されにくいので、双方の風味を損なわずに味わうことができます。
そのため、小さい子供や高齢者に向いている食べ方と言えます。ひと口に塩味と言っても製造元によって風味が異なります。番茶にあられを浸す際は最初に少量で試すのが美味しく食べるコツです。
写真:番茶と相性バツグンのあられ
※あられについて、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-あられ」を参照してください。
もなか
イラスト:もなか
もなかは餅で作った薄い皮を焼き、その中に餡を入れた和菓子です。ひと口食べると皮の香ばしさと餡の強い甘味が堪能できます。お茶請けとして広く普及しているもなかですが、中でも濃い番茶は最高の相性と言えます。
番茶の強い渋みはもなかの餡の甘味にぴったりです。餡で甘くなったら口直しで渋い番茶を飲み、番茶の渋みをもなかの香ばしさと甘味で包み込めばいつまでも新鮮な味わいを楽しむことができます。
栗や餅、アイスクリームなどを入れた変わり種のもなかもありますが、皮の香ばしさと中身の甘味を楽しめる点では餡入りのもなかと変わりません。
いずれのもなかも番茶との相性が良いので、餡以外のもなかを食べ比べる楽しみもあります。もなかの風味に合わせて番茶の濃さを変えるのが飽きずに美味しく楽しむための工夫です。
写真:番茶と相性バツグンのもなか
※もなかについて、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-もなか」を参照してください。
他にも和菓子の種類は豊富
日本の伝統ともに生まれてきた和菓子は、メジャーなものだけでも100種類、地域や店ごともオリジナル和菓子も含めると何百、何千種類とあります。
和菓子ことを詳しく知れば、味わいもまた違ったものになるかと思います。100種類以上の和菓子について、詳しく解説した和菓子種類一覧は以下を参照してください。