二十四節気別おすすめ

寒露 (かんろ 10/8頃)におすすめの和菓子3選

「寒露」は二十四節気(にじゅうしせっき)の一つで、10月8日~10月22日の期間に当たります。秋分が過ぎてさらに秋が深まり、草木が冷たい露を含む季節です。

「寒露」の頃は実りの秋なので、栗・柿・さつま芋など、和菓子の素材が収穫期を迎えます。また、紅葉やお月見といった題材も多く、和菓子を楽しむには絶好の季節なのです。

紅葉をイメージしたきんとん

山のモミジやイチョウが紅葉する様子は、よく着物の錦織にたとえられます。紅色と黄色の2色を使ったきんとんは、紅葉をイメージした季節感のある和菓子です。

きんとんとは、色付けした餡をザルで裏ごししてそぼろにしたものです。核となる餡の表面全体にきんとんをまぶした上生菓子のことを、京都では「きんとん」と呼び、よく使われます。

おせち料理の栗きんとんや、茶巾に絞った栗きんとんとは異なります。ちなみに、岐阜で作られる栗きんとんは、京都では「茶巾搾り」と呼んで区別しています。

新栗の栗蒸し羊羹で秋を味わう

写真:栗蒸し羊羹

秋の味覚である新栗が収穫されると、栗を使った和菓子がたくさん目に止まります。羊羹は昔から日本で親しまれてきた和菓子の定番ですが、中でも栗を入れた栗羊羹は特別なイメージがあります。

栗羊羹と似て非なるものに「栗蒸し羊羹」があります。蒸し羊羹は、羊羹のように長期保存ができず、賞味期限が2~3日くらいなので、栗蒸し羊羹はまさに旬の時期にしか味わえない季節限定の和菓子なのです。

蒸し羊羹と区別するために、長期保存ができる一般的な羊羹を「練り羊羹」と呼ぶこともあります。練り羊羹は、小豆と砂糖からなる餡を寒天で固めたものです。これに対して、蒸し羊羹は小麦粉や葛粉・片栗粉を型に流して蒸し固めます。羊羹は甘味が強く長期保存ができますが、蒸し羊羹は水分が多く糖度が低いので、保存には適しません。

栗蒸し羊羹の魅力は、控えめな甘さともっちりした触感、そして栗の風味にあります。

※ようかんについて、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-ようかん」を参照してください。

 

十三夜のお月見に兎の上用饅頭

寒露の期間には、十三夜のお月見があります。一般には十五夜が有名ですが、十五夜の後に見られる名月という意味で「後の月」とも呼ばれ、十五夜と同じく月見団子や季節の野菜などを供えてお月見をする風習があります。

お月見にちなんで兎を模した上用饅頭(じょうようまんじゅう)が食べられます。白い楕円形の饅頭に、焼いた竹串で棒状の兎の耳をかたどり、食紅で目をつけて兎を作ります。

上用饅頭は、すりおろした山芋と米粉(または上新粉)を混ぜて生地にし、餡を包んで蒸した和菓子です。しっとりした生地が人気で、日本では昔からよく食べられています。

手作りすることもできるので、小さいお子さんと一緒に作ってみるのもいいですね。手作りなら大きさや形も自由に変えられるので、まん丸の形にするとお子さんが作りやすいかも知れません。ミニ兎にすると、食べる時も一口サイズになるので食べやすそうです。

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