紅白饅頭
紅白饅頭は、上用饅頭の1つとされ、日本の祝い物の和菓子として有名です。もともと、紅白は縁起が良いとされていますが、その由来は、紅色が生まれること、白色が死ぬことを表し、2色が揃うことで人の一生を意味するという説が有力とされています。
餡に使われる小豆の色は、古来より魔除けの色とされ、邪気を払う力があることで珍重されて来ました。また、上用饅頭の名前の由来は「上位の人に用いる饅頭」という意味で、昔は、高価な砂糖や小豆を使って作られた饅頭を口にできるのは、高貴な人のみで、一般庶民が口にすることができないほど高価な物であったことからその名が付けられました。
今では、饅頭の種類も増え、一般的な和菓子になりましたが、紅白饅頭は特別で、目上の人への贈り物やお祝いの席でも用いられています。見た目の華やかさに加え、柔らかな口当たりと上品な甘さは、祝い事の席で喜ばれる定番の和菓子です。
金平糖
イラスト:金平糖
金平糖は、もともとポルトガルより伝来したお菓子で、名前の由来は、砂糖菓子の意味を持つポルトガル語の「コンフェイト」が語源とされています。
日本の皇室の引出物には、金平糖をボンボニエールという菓子器に入れて贈るのが定番となっているほど、縁起の良い和菓子です。
金平糖の作り方は、まずグラニュー糖を溶かして糖蜜を作り、大きな釜に入れたザラメを回転させながら、少しずつ糖蜜をかけ、何日もかけてザラメに糖蜜をコーティングして作ります。そのため「じっくりと絆を作っていく」「ゆっくりと成長していく」といった意味とも重ねられ、新婚祝いや出産祝いにもたびたび用いられています。
見た目にもカラフルで可愛らしく、カリカリとした食感と優しい甘さは、万人に好まれる和菓子です。さらに、古来より商売繁盛や幸福を呼ぶとされており、開店祝いにもぴったりの贈り物です。
※金平糖について、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-金平糖」を参照してください。
たい焼き
イラスト:たい焼き
たい焼きは、薄力粉、砂糖、重曹などを混ぜた生地を、鯛の型に流し込み、餡を挟んで焼いた和菓子です。鯛は「めでたい」と言われ、日本では、昔から縁起の良い魚とされて来ました。しかし、鯛は高級魚のため、一般庶民は口にすることができず、鯛を形取った鯛焼きは、一躍人気商品となりました。
鯛焼きを食べることで、本物の鯛を食べているかのような幸福感と満足感が得られることから、鯛と同じく縁起が良いものとして、祝いの席でたびたび用いられています。
さらに、餡に使われる小豆には、厄除けの効力があるとされています。外側の香ばしい皮と、粒餡の素朴な甘さのバランスがちょうど良く、日本では好まれる和菓子の一つです。「めでたい」見た目はもちろん、本物の鯛とは違い、手軽に持ち運びができる点もおすすめです。
※たい焼きについて、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-たい焼き」を参照してください。