水羊羹
水羊羹とは、普通の羊羹より柔らかくぷるぷるしているのが特徴です。つるっと口当たりがよく、ひんやりとしているので夏の風物詩として昔から食べられてきた和菓子のひとつです。
夏の暑い季節に、ぷるぷるとした寒天の触感や、冷蔵庫で冷やしてつるっと食べる水羊羹は、ひときわ美味しいですよね。
もともと羊羹とは、小豆の餡と寒天を型に流し入れて固めたものをいいますが、水分の配合が多くぷるぷるとしたものを水羊羹、しっかりと固まっているものを羊羹とい言います。江戸時代中期に誕生したと言われる羊羹ですが、作り方や材料は当時と全く変わっていないそうです。
実は水羊羹は、もともと冬に食べられていた和菓子だと言われています。正月に食べるおせち料理のデザートとして作られており、今でも冬に食べる地域があるそうです。
※水ようかんについて、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-水ようかん」を参照してください。
水饅頭
水饅頭とは、別名水仙饅頭や葛饅頭とも言い、くず粉を使って餡を包んだ夏によく食べられる和菓子のことです。中国では水晶のような丸さと透明感から水晶餡と言われています。つるつるとした見た目と透明感が夏を感じさせますよね。
通常、器に盛って食べますが、冷水に浸して食べることもあり、よりひんやりとした触感が涼しさを感じさせます。かき氷の中に水まんじゅうが入っているという、見た目も中身も涼しげな夏季限定の甘味屋もあります。餡の中身を、フルーツやカラフルな色のものにすることによって、宝石のように綺麗な見た目になり来客用のお茶菓子にもピッタリです。
お茶の席やお中元などでもよく用いられており、現在は、くず粉以外にもわらび粉、寒天、海藻の一種のアガーが使われたりもしてるそうです。
葛切り
葛切りとは、葛粉で作ったところてんのような細長いつるっとした食感と甘味が特徴の和菓子で、京都・祇園の300年続く老舗和菓子店が発祥と言われています。
冷やした葛切りに、黒蜜などをかけて食べるので、夏の和菓子にピッタリです。近年は蜜以外にもフルーツや黒ゴマ風味など様々なソースがあり、味の変化を楽しむことができます。
最近では、葛は葛切り以外にもとろみをつける食材として、和食、フレンチ、イタリアンなどにも利用されています。更に、健康食、介護所、離乳食にも葛を使うことがあり、幅広く利用される食材です。
また、中国の古い書物には、葛はイソフラボンとなどの成分があり薬用として使用されていたと記されていたそうです。現在、漢方として販売されている葛根湯も葛の成分が含まれているのです。