梅雨の時期ならではの美しさを
仲夏という時期は、ちょうど梅雨の時期に当たります。なんとなく気分も暗くなってしまいがちな時期ですが、美しいものを和菓子として取り入れることで気持ちから明るくしておきたいものです。特に梅雨の時期に美しい花を咲かせるアジサイは和菓子にも良く取り入れられるデザインです。
涼しげで爽やかな風を感じられる紫陽花のお菓子を楽しみましょう。紫色などに着色した寒天を細かく刻んだものを、餡の周りに付けたものは紫陽花の形に見えますし、キラキラ輝いて美しく見えます。夏らしく爽やかな味わいも魅力の一つです。
道明寺も紫陽花の形に見立てることが出来ますし、練りきりで花の形を作るということも出来ます。様々なお菓子の形に取り入れやすいモチーフですし、季節感を存分に感じることが出来るようになります。
涼しさを感じさせる錦玉羹
仲夏の時期には梅雨寒の中に暑さも感じる日が多くなってきます。そのようなときに見た目も涼やかにスッキリと食べることが出来る和菓子があるとより楽しめるでしょう。
そういった効果のある和菓子として挙げられるのが錦玉羹です。形としては寒天を型に入れて固めた単純なものですが、透明な寒天が目に涼しさを与えてくれることになります。寒天の中には様々なものを封入することが出来、工夫を凝らした見た目に仕上げることが出来るという点も大きな魅力です。
豆などを入れてみるほか、季節の食材や寒天で別途作ったモチーフなどを入れてみましょう。見た目に変化をつけやすく季節感を出しやすくなります。仲夏の時期にぴったりの爽やかな舌触りは、徐々に高まってくる暑さを乗り切る力ともなってくれるはずです。
季節の果物をモチーフに
季節に合わせて旬のものを和菓子のモチーフに取り入れていくという事も、季節感を感じさせてくれる楽しい工夫です。
仲夏の季節に旬となるものとして、果物のびわが挙げられます。優しいオレンジ色の丸みのあるデザインはどこか懐かしさを感じさせる形です。和菓子としても作りやすい形ですから、取り入れているお菓子屋さんも多くあります。
繊細な細工の上生菓子でも、なじみ深い饅頭の形でも、様々な形で楽しむことが出来ます。形だけを取り入れても季節感を感じることはできますが、びわそのものの味も取り入れていくことでより深く季節を感じていくことが出来ます。びわのピューレなどを練りこんだり、中に入れたりしてそのものの味わいを取り入れていくことも出来るので、旬のびわを和菓子としても楽しみやすくなります。