紅白饅頭
憲法記念日は、日本の祝日で1947年5月3日に日本国憲法が施行された際に制定されたものです。世界中の国々がその国の憲法が施行された日を祝日にしています。それほどに重要な祝日なのです。大切な祝日には紅白饅頭を配ったり食べたりするのは日本の古くからの慣習です。紅白饅頭は正確に言うと紅白薯蕷饅頭になります。
薯蕷饅頭とはすりおろしたやまといもに上新粉や砂糖を練って皮を作り、それに餡を包みこんで蒸しあげた饅頭のことです。
ふんわりした皮にしっとりした餡が包まれた、とても上品な味わいのあるものです。昔は饅頭といえば薯蕷饅頭で、どこの和菓子屋さんでも買えたものです。
しかし、最近は祝日やご家庭、企業などの記念日に配られるのがほとんどなので、注文した数だけを作ってもらうことが多くなりました。紅白を一対にして箱に入れて配ります。大きさも様々で大きいものは直径が7.5センチメートルぐらいのものもあります。
紅白落雁
イラスト:落雁
憲法記念日は国にとってはとても大切な祝日です。祝日の和菓子の一つに紅白落雁があります。
落雁は穀類の粉に砂糖や水あめなどを入れて練ったのちに乾燥させた和菓子です。練り上げた材料を様々な形の木型にはめます。木型から外してから乾燥させます。木型には様々なものがあり、中には和菓子屋さんのトレードマークになっているものもあります。
練り込むときに赤い色を付けたものと、色を付けない白いものを二つ一組にして紅白落雁にします。
口の中でとろけるので小さな子供さんでも食べることができます。落雁の中でも、うるち米の粉と白砂糖を使ったものを白雪糕と言います。「はくせっこう」と読みます。白雪糕は色を付けなければ真っ白に出来上がるので、紅白落雁は赤く色づけした白雪糕と色付けしていない白雪糕を組み合わせました。
※落雁について、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-落雁」を参照してください。
金平糖
イラスト:金平糖
ポンポニエールという器をご存知ですか?キャンディ入れの器です。ヨーロッパが発祥の陶器でできた蓋つきのお椀です。ヨーロッパではお祝い事にポンポニエールを贈る習慣がありました。日本では1889年の憲法発布記念式典に記念品として配られました。
ヨーロッパでは小ぶりのキャンディを入れて利用しましたが、日本の小ぶりの砂糖菓子と言えば金平糖です。洋風のポンポニエールと見た目の相性も抜群です。赤と白の金平糖で憲法記念日を祝うのもおしゃれなものです。
金平糖は氷砂糖に水を加えて煮詰めたものを、ケシ粒にかけて形作ったものです。小さなケシ粒に少しずつ熱い水あめを加えていきます。何度も何度も回転させながら金平糖独特の凹凸のある形に育てていきます。なんと約2週間もかけます。小さくて甘い日本独特の砂糖菓子です。
※金平糖について、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-金平糖」を参照してください。