初霜
初霜とは、まさに冬の始まりをかたどった和菓子です。練切を椿の葉や薪の束などといった様々な形に仕上げ、「氷餅」を散らして霜が降りている様子を表現しています。
初冬の自然や生活の一場面を表す形や鮮やかな色彩からは、視覚的に季節を感じられ、和菓子の芸術性も楽しめることでしょう。
初霜の上にトッピングされている「氷餅」とは、お餅を水に漬けて冷凍したのち、寒風に晒して乾燥させたものです。信州では保存食として昔から作られており、水分が飛んでいるのでホロホロと柔らかく崩れていく感触が特徴です。初霜ではこの粉が使用されており、真っ白くきめ細かいので、柔らかな霜が練切の上に舞い降りたようになっています。
一つ一つ形を眺めながらお口に入れ、日本ならではの四季を味わってみませんか。
※練り切りについて、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-練り切り」を参照してください。
栗蒸し羊羹
イラスト:羊羹
栗は、8月下旬から10月下旬にかけて収穫されますが、この栗を蒸し羊羹に閉じ込めたのが栗蒸し羊羹です。和菓子の季節感として、「その季節だけに作られる和菓子」というものがあり、いわば季節限定商品です。
栗を用いたお菓子はその一つなので、まだ栗を食べていないという人はご家族揃って食べられるラストチャンスかもしれません。和菓子店によって様々なこだわりがあるので、食べ比べてみたり、家族の好みに合わせて吟味して買ったりするのも楽しそうですね。
栗をふんだんに使った蒸し羊羹や、栗の蜜漬けの仕方が特別なもの、さらには甘露煮にしないでそのままの蒸し栗を使ったものなど、一口に栗蒸し羊羹といっても、栗と餡のバランスや甘さが違います。
美味しいお茶と一緒に食べながら、家族で勤労感謝の日を祝うのも、良い団らんとなりますね。
※羊羹について、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-羊羹」を参照してください。
せんべい
イラスト:せんべい
和菓子の定番ともいえる煎餅ですが、勤労感謝の日に食するのに相応しいお菓子ではないでしょうか。というのも勤労感謝の日は、天皇が五穀の収穫を感謝する「新嘗祭」という宮中行事を起源としているからです。
五穀とは、米・麦・あわ・きび・豆を指し、古来日本で主食とされた穀物のことです。煎餅は主にお米によって作られています。黒豆が練りこまれているものもあり、五穀のうち2種類も楽しむことができます。ご家族でもこれらの収穫を感謝し、日頃の働きを互いに労わりながら、「勤労感謝の日」を祝ってみませんか。
秋の味覚を楽しめる煎餅が食べたいなら、野菜煎餅もあります。これは大根やレンコン、ナスなど、京野菜をお米の生地で包み、焼き上げた煎餅です。野菜を使って紅葉など秋の風物詩をかたどっているため、季節を感じながら食べることができます。
※せんべいについて、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-せんべい」を参照してください。