淡雪かん
細かく泡立てた卵白に寒天をいれて固めたものが淡雪かんです。真っ白な春の雪が口の中でとろけていくような舌触りが特徴です。
淡雪かんの名前はこの舌触りにちなんでつけられたと言われています。口にいれるとほんのりと上品な甘みが広がります。定番は卵白の白い色を活かしたものですが、中には薄紅色の淡雪かんにフレッシュなイチゴをまるごと混ぜ込んだこんだものや、抹茶風味のうぐいす色のものなど、ぱっと目を引くような華やかなものもあります。
長い冬があけ、春まで積もっていた雪がやっと溶け出す頃はイチゴのおいしい季節でもあり、旬を迎えたイチゴと淡雪かんのコラボレートを味わえます。他には塩漬けの桜をのせたものなどもあります。白や薄紅色、うぐいす色など春を思わせる色のものが多いのも淡雪かんの魅力です。
水ようかん
イラスト:水ようかん
あんに砂糖を入れ寒天を加えて煮詰め、棒状の型に流し込んだものがねりようかんですが、水ようかんは練り羊羹に比べて含まれている水分が多いのが特徴です。
初夏を感じられるような、汗ばむような日が続くようになってきたころには、冷蔵庫で冷たくした水ようかんは体を潤してくれます。
水ようかんは見た目も涼しげで、お口にいれるとつるりと喉を通過して非常にのどごしが良いです。それゆえ疲れている時でも食べやすいです。
水ようかんは棒状になっているため四角くカットするとスマートに、三角形にアレンジしてカットすれば動きがでます。水ようかんは見た目がシンプルなため器とのコーディネートを楽しむこともできます。
日本の粋は季節を先取りすることにあると言われます。初夏のイメージもある水ようかんは晩春にオススメです。
※水ようかんについて、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-水ようかん」を参照してください。
うぐいす餅
イラスト:うぐいす餅
求肥であんを包み、外側には青きなこをまぶしてある餅菓子がうぐいす餅です。青きなこのうぐいす色が特徴で、綺麗な色が春の新緑を思わせてくれます。本物のうぐいすの鳴き声がよく聞かれるのも晩春の頃が多いのではないでしょうか。
とてもシンプルな和菓子であるうぐいす餅は日本の春を代表とする和菓子です。中のあんはこしあんが定番ですが、白あんや味噌あんのものもあり、味の変化楽しむことができます。
見た目の美しさに食べるのも惜しくなってしまうようなうぐいす餅は、お口にいれるとこしあんの優しい甘みが口いっぱいに広がります。見た目だけではなく、実際に食べてみても上品で品のある味わいです。主張しすぎないシンプルなうぐいす餅は、さりげなく去っていく春の終わりにオススメの和菓子です。
※うぐいす餅について、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-うぐいす餅」を参照してください。