月見団子
イラスト:月見団子
美しい月を眺める事ができる仲秋にぴったりなのが、上新粉などで作られた月見団子です。
こしあんやつぶあんが団子の中に使われる事が多く、地域によって月見団子の形は少しずつ違います。京都では細長い団子の周りに、こしあんやつぶあんを太帯のように巻きつけているものが売られていて、あんの柔らかい舌触りを最初に楽しめるのが特徴です。あんではなく和三盆糖を絡めて食べる月見団子もあり、好みに合わせて味わいを選べます。
花見団子などは草色をつけたものが多いのですが、月見団子の場合は月をイメージして白い団子を使う事が多く、和三盆糖をまぶす事で満月のような可愛らしい見た目を楽しめます。地域によっては月見団子の中に蒸した小豆などを入れる事もあり、家庭によって少しずつ味が違うところも魅力の一つです。
※月見団子について、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-月見団子」を参照してください。
栗きんとん
イラスト:栗きんとん
栗の甘味が増す仲秋には栗きんとんなどの和菓子もぴったりで、大粒の栗を贅沢に使ったものは贈り物としても人気があります。丁寧に裏ごしをした栗きんとんは舌触りも良くて、あんが口の中でとろけるような食感を楽しめるところが魅力です。
栗の風味を楽しめるように甘味をひかえた品も人気が高く、加熱する時間によって食感も大きく変わります。仲秋に食べる栗きんとんは、おせちで使われるものとは作り方が違い、粘り気を付けない事も珍しくありません。
茶巾絞りで栗の形を作ったものを栗きんとんと呼ぶ地域も多いのですが、京都では栗茶巾と呼ばれて別の和菓子として扱われています。岐阜県中津川市と岐阜県加茂郡八百津町の和菓子屋のどちらかが栗きんとんの元祖と言われており、9月から11月にかけてが栗きんとんの食べ頃です。
※栗きんとんについて、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-栗きんとん」を参照してください。
芋ようかん
イラスト:羊羹
仲秋はサツマイモを原材料として使った芋ようかんが食べ頃になる季節で、土産物としても芋ようかんは人気があります。
サツマイモに黒糖と粉寒天を加えた、シンプルな風味の芋ようかんは古くから食べられてきたもので、黒糖が上品な甘味を作り出してくれます。原材料として使用するサツマイモにも種類があり、和菓子屋によって風味がまったく違う事も珍しくありません。風味を良くするために食塩を少し加える事もあって、甘味と塩味のバランスの良さを楽しめます。
日本酒などのお酒との相性の良さでも注目される和菓子で、月見をしながら団子ではなく芋ようかんと日本酒の味を一緒に楽しむのもおすすめです。
芋ようかんをオーブントースターなどで焼く事で、少し硬さのある独特な食感とサツマイモの風味をより深く楽しめます。
※羊羹について、もっと詳しく知りたい方は「和菓子辞典-羊羹」を参照してください。