和菓子辞典

中花の特徴・歴史・味

写真:代表的な中花

特徴

中花(ちゅうか)と聞くと、何のことかわからない人は多いかもしれませんが、鮎焼きや中華まんじゅうなどと聞くと理解できるかもしれません。

中花は小麦粉と砂糖、卵を原料にした種を平鍋で焼いた焼き菓子を指します。中身はあんこのこともあれば求肥のこともあり、表面に焼き鏝で印を付けるのが一般的です。

代表的な中花は鮎焼き、もしくは若鮎と呼ばれる京都の焼き菓子で、魚の鮎をイメージした見た目です。若鮎はあんこでなく求肥が入っているのがスタンダードで、これは京都に限らず関西圏では同様と言われています。京都において若鮎は鴨川を泳ぐ鮎をイメージしたものとなるため、夏の限定品として販売する店は珍しくありません。

皮の食感に関しては店ごとに違い、どら焼きっぽいふわふわした食感の皮もあれば、せんべいっぽいパリパリ感のある皮もあります。ふわふわ食感の皮で求肥を包んだ焼き菓子では、調布も有名です。

歴史・由来

中花が作られ始めた時代は、はっきりしていませんが、1813年の書物「浮世床」にはカステラなどのお菓子と並んで「ちうか」という名称が載っています。この約40年後に書かれたと思われる「ていさ秘録」という菓子製法書には、中華饅頭のレシピが掲載されているので、この頃には一般的なお菓子だったのかもしれません。

原料はカステラがベースになっているため、カステラが伝わった1500年代には作られていた可能性もありますね。中花を用いた焼き菓子は、全国に広まるうちに少しずつ変化していったようです。

例えば北海道ではあんこを中花で包んだお菓子を中華まんじゅうと呼び、新潟では白あんを中花で包んだお菓子を中皮と呼びます。丸く焼いた中花にあんこを挟んで二つ折りにしている点は、いずれも同じです。

あんこを挟んだ中花のお菓子は関東以北でメジャーですが、関西以南は求肥を挟んだものがメジャーとなっています。

イラスト:おいしそうな中花

風味・味

中花を使った和菓子は地方によって様々なものがありますが、あんこを挟んだタイプはどら焼きのような食感や風味、味がします。

あんこはこしあんが主流なので、舌に乗るあんこの食感は滑らかです。皮はふわふわ感を感じるほど厚みはなく、どちらかというとしっとりしている商品が多いです。焼き色がしっかり付くくらい焼いてあるため、砂糖の香ばしさが感じられるでしょう。

若鮎や調布など求肥を挟んだタイプは、中花のしっとり感と求肥のもっちり感のコントラストが楽しめます。噛み応えがあるので、食べたという満足感が強いかもしれません。お餅のような食感が好きな人には魅力的でしょうし、あんこが苦手な人も食べやすい和菓子でしょう。特に若鮎は顔が付いていてかわいらしさもあるので、若い方へ手土産に贈っても喜ばれるかもしれません。

 

和菓子分類

製法での分類:焼き物

水分量分類:生菓子

主な材料

小麦粉、卵、砂糖、あんこ、求肥

※一般的な材料を記載しています。詳しくは製造元に問い合わせてください。

カロリー(概算)

未調査

 

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