写真:代表的な五家宝
特徴
元々は駄菓子でしたが、現代では埼玉県の三大銘菓の一つとも言われています。熊谷や加須の名物菓子として知名度が高いです。
おこし類の干菓子として分類されます。主な原料はもち米、砂糖、きな粉、水飴とナチュラルでシンプルな、健康的な和菓子です。
もち米を蒸してつき伸ばし、乾燥させて細かく刻み、水飴と砂糖で固めて棒状にして、仕上げにきな粉をまぶしてあります。日本茶によく合うため、年賀などの祝儀の際にもよく使われます。
ベテランの職人によって、独特な手作りの製法で昔から引き継がれてきました。日持ちするのでお土産としても大変人気です。お好みできな粉をつけて食べられるものや、通常より約4倍ほど太いタイプなどアレンジが施してある五家宝も親しまれています。
一時は存続することが難しい時期がありましたが、近年では健康食品として再注目されています。
歴史・由来
五家宝の歴史は非常に古く、江戸時代の文政年間(1818~1829)にはすでに五嘉棒と言う名前で売り出されていました。
熊谷は中山道の宿場町で、良質な大豆や米、大麦といった五家宝の原料がたくさん収穫できました。そんな豊かな熊谷の土地が五家宝を産み、育ててきたのです。
その後、五家宝は五嘉宝、五箇宝と名を変えていきます。現代の五家宝は「五穀は家の宝」といった祈りが込められています。
1716年~1736年の享保年間に上州の五箇村(現代の群馬県板倉町)の人々が、乾飯(ほしいい)を蒸して作ったことがきっかけとなり作り始めました。
昔の五家宝は、長さが20センチ、径5cmもあったと言われています。逞しく太い形をしていたため、遊郭で縁起物として重宝されていました。幕末には江戸でも有名になっていきました。五家宝と呼ばれるようになったのは明治時代以降となります。
イラスト:五家宝
風味・味
口当たりがさっくりとしていて軽く、食感はもっちりとしています。おこしのように柔らかい歯触りで、甘さは控えめです。淡白でありながら上品な味わいが口の中に広がります。
もち米のタネに糖蜜が絡めてあるため、なめらかな口どけを実現しています。きな粉の風味が香ばしく特徴的で、どこか懐かしさを覚える素朴な和菓子です。おなかにやさしく、滋養にも良いと注目されています。
五家宝は非常に繊細なお菓子です。そのため、気温によって食感が変化することがあります。夏には冷やして、冬は温めて食べることで本来の食感を楽しめるでしょう。
子供から大人まで、年齢を問わず美味しく食べられます。青大豆を用いた五家宝は香りが大変豊かで、うぐいすきな粉をまぶしたものは見た目が爽やかで、さっぱりとした口当たりです。
和菓子分類
製法での分類:掛け物
水分量分類:干し菓子
主な材料
もち米、砂糖、きな粉、水飴
※一般的な材料を記載しています。詳しくは製造元に問い合わせてください。
カロリー(概算)
100gあたり、384kcal