写真:代表的なうば玉
特徴
うば玉は黒糖を混ぜ込んだこしあんを丸め、上から寒天をかけて固めた伝統的和菓子です。艶のある黒い見た目とコロコロとした丸い形が特徴で、茶菓子や土産品としてよく使われています。
一つずつのサイズは小さめで複数個まとめて販売されていることが多いです。食感のアクセントとしてけしの実を乗せるのが一般的ですが、代わりにゴマを乗せたものも存在します。
店によっては中のあんに栗あんや抹茶あんを使っていることもあるので味のバリエーションは意外と多いと言えるでしょう。抹茶あんを使ったうば玉は、切ってみると中から鮮やかな緑色のあんが出てきて見た目にも美しいのでおすすめです。
少し変わったものとして、表面に粉砂糖をまぶしたものや求肥であんを包んだものがありますが、こちらもうば玉の名前で販売されています。
歴史・由来
うば玉は京都の老舗和菓子店が創業から作り続けている和菓子で、その歴史は200年を超えています。
名前の由来はヒオウギという花の種子からつけられたとされています。宝石のような艶のある美しい黒色をしており、見た目がうば玉そっくりなので、機会があれば一度見比べてみてください。一目でなるほどと合点がいきます。
この種子は黒色を表す言葉としても古くから使われており、万葉の古歌にも登場しています。そこではぬばたまと呼ばれ、ぬばの語が黒を意味しています。例を挙げてみると「ぬばたまの吾が黒髪を引きぬらし乱れてさらに恋わたるかも」といった感じです。ほかにも、ぬばたまが登場する古い歌が沢山あるので気になった方は調べてみてください。
友達と集まってうば玉を食べるときにさりげなく教えてあげると一目置かれるかもしれません。
イラスト:おいしそうなうば玉
風味・味
うば玉の味の特徴としては表面の部分にかけられている寒天の食感が挙げられます。ゼリーのようにプルンとしているのでみずみずしさを感じることが出来るでしょう。
中のこしあんもくちどけが良く甘さが後を引くことがありません。そして、最も強く感じるのが黒糖の風味です。鼻から抜ける黒糖の香りはうば玉ならではの楽しみです。
上に乗せられているけしの実のプチっとした食感も良いアクセントとして機能しています。ちょっとしたことですが、食べたときに感じるイメージが大きく変わるでしょう。
小ぶりなサイズ感も味のバランス的に丁度よく、長年受け継がれてきたのが納得できます。うば玉だけで楽しんでもいいのですが、相性的にはお茶、特に味の濃い抹茶によく合うので茶会などに出すと喜ばれるでしょう。
和菓子分類
製法での分類:あん物
水分量分類:生菓子
主な材料
こしあん、黒糖、寒天、けしの実
※一般的な材料を記載しています。詳しくは製造元に問い合わせてください。
カロリー(概算)
1個(約33g)で、118kcal