和菓子辞典

生姜糖の特徴・歴史・味

写真:代表的な生姜糖

特徴

生姜糖と一口に言っても、主に二つの生姜糖が存在しています。

ひとつは、生姜のエキスと砂糖を煮詰めて作った生姜板ともいわれる生姜糖で、もうひとつが薄切りした生姜を砂糖漬けにして作った生姜糖です。ふたつとも生姜糖という名称で、原材料もほぼ変わりませんが、見た目は大きく異なります。

生姜板とも呼ばれることがある生姜糖は、ハッカ糖などと同様にして飴のような見た目をしています。形状は店舗により棒状であったり、板状であったりと様々ですが、白や淡い黄色、ピンク色に色づいたつやのある砂糖の塊といった見た目をしていることが特徴です。

砂糖漬けの方の生姜糖は、より特徴的な見た目をしています。生姜の薄切りに砂糖がまぶされたような見た目をしており、淡い黄土色の生姜の上に結晶化した砂糖がびっしりとついており、美しいです。

歴史・由来

生姜糖は歴史的見て、古くから存在している日本の和菓子です。

生姜自体は熱帯アジアが原産国となる植物であり、紀元前から各国で生産がなされていました。日本に入ってきたのは2,3世紀ごろの奈良時代で、当時より栽培されていたようです。その成分から漢方薬の原料としてよく使われ、解熱、解毒、咳・吐き気止めなどとして使われていました。

生姜糖の古くからの生産地としては、伊勢と出雲が有名です。伊勢の生姜糖の始まりは、江戸時代の延宝、あるいは寛政年間とされています。もともとは伊勢神宮への神饌であったとされており、それが時代とともに伊勢参りの土産として知られるようになりました。

出雲の生姜糖は、正徳5年(1715年)に初めて製造が成功したとされています。日本元祖ともいわれており、文化年間には徳川家に献上し、賞賛を浴びたことが知られています。

イラスト:おいしそうな生姜糖

風味・味

生姜糖は、生姜板であっても砂糖漬けであっても、いずれも原材料として使用されているものは、生姜に砂糖といった単純なものです。

生姜板は、砂糖と生姜を炭火でじっくりと煮込み、型に流して固めたものです。色合いも美しく、ほんのりと生姜の香りがします。板や棒状をしており、食べる際には一口大のものを飴のようになめて食べるか、ぽきっとおりながら食べることとなります。軽い舌ざわりに、歯ごたえが特徴的です。

砂糖漬けの生姜糖は、薄切りした生姜を軽く湯に通したうえで砂糖と煮詰め、結晶化するまで混ぜるもので、口に含めば、やわらかな歯ざわりです。いずれの生姜糖も、砂糖の甘みと生姜の辛さが口の中に広がるとともに、生姜の風味が口の中に広がりさわやかな味わいを楽しむことができます。子どもでも食べやすく、甘さと辛さのバランスがクセになります。そのまま食べることもできますが、お茶や紅茶に溶かして食べても体が温まると好評です。

 

和菓子分類

製法での分類:流し物

水分量分類:半生菓子

主な材料

生姜、砂糖

※一般的な材料を記載しています。詳しくは製造元に問い合わせてください。

カロリー(概算)

100gあたり、390kcal

 

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