写真:代表的な南蛮菓子
特徴
小麦粉や砂糖、鶏卵、油を多く使ったお菓子のことです。
一見すると、西洋菓子なのか和菓子なのか、どちらのジャンルに属するものなのかわからないと思われることも多いです。洋風のテイストをベースとしながら、和風の要素が入っているという独特な雰囲気を持っているのが大きな特徴です。
それもそのはず、南蛮菓子は西洋菓子が日本に伝わり、日本人の使う材料によって「日本人のお菓子」に変身したものなのです。
現在でも盛んに食べられているのは、カステラやボーロ、有平糖、カルメラ、金平糖などです。
有平糖は日本に初めて輸入されたハードキャンディのことで、「あるへいとう」と読みます。棒状にした飴をカットして作られ、カラフルなものが多いです。
また、カルメラはカルメ焼きともいわれ、大きなマカロンのような見た目をしています。
歴史・由来
南蛮菓子は南蛮貿易と大きな関わりがあり、ポルトガルやスペイン、オランダなどから伝えられたものです。
まず、南蛮貿易は1543年(天文12年)に種子島にポルトガル船がやって来て始まるのですが、その6年後にキリスト教の宣教師であるザビエルが来日します。ザビエルは日本にキリスト教を広めるべく活動をしますが、そのときに用いたのがお菓子です。キリスト教を広めるために、日本人の関心を引こうとお菓子を使ったというわけです。
70年ほど続いた南蛮貿易の時代、西洋菓子は日本に広がり続けたのですが、1616年以降は鎖国が始まりました。明治の開国までの長い間に、一度西洋から伝わったお菓子が日本風にアレンジされ、南蛮菓子と呼ばれるようになりました。
ビスケットはそばぼーろになり、飴は有平糖、ケーキはかすていらとなったのです。それまでの日本のお菓子は、無糖の甘葛煎(あまづらせん)という甘味料などを使って作られていましたが、南蛮菓子が伝わったことにより砂糖が使われるようになりました。
また、お菓子に卵を使うようになったのも南蛮菓子のおかげです。
イラスト:カステラ
風味・味
南蛮菓子は全体的に、バターを使っていないため素朴な味わいを楽しめます。クリーミーで濃厚なお菓子が苦手な人でも美味しく食べることができますよ。
南蛮菓子の代表的な存在ともいえるのがカステラです。バターを使わない和風ケーキであり、口に入れると卵と砂糖の風味がふんわりと広がります。上側と下側は香ばしく焼き上げられていて、下側にはざらめが使われているものが多いです。ふわふわした食感の中でシャリシャリとしたざらめの甘さが際立ち、絶妙なバランスを生み出します。
また、焼き菓子のボーロはかつてビスケットだったこともあり、サクサクとした食感を楽しめます。ボーロもバターを使っていないため、あっさりとした後味になっています。一粒が丸くて小さく、口に入れるとほろほろとした口溶けに驚くことでしょう。小麦粉や牛乳、砂糖、卵といった素材の風味が合わさって、他のお菓子では味わえない懐かしさを感じることができます。
和菓子分類
製法での分類:----
水分量分類:----
主な材料
南蛮菓子ごとに違いがあります。
※一般的な材料を記載しています。詳しくは製造元に問い合わせてください。
カロリー(概算)
南蛮菓子ごとに違いがあります。