和菓子辞典

ちまきの特徴・歴史・味

写真:代表的なちまき

 

特徴

ちまきは、笹の葉やチガヤというイネ科の葉で、米粉の餠を三角形や筒状に包んだ和菓子です。

くるくると葉の上から紐で縛ってあるのが一般的です。持ちやすいサイズと形で、葉に包まれているので、手が汚れることなく食べることができます。葉は食べず、剥いて中の餠を食べます。

お弁当に入れることもありますが、ちまきと言えば、端午の節句に食べる和菓子というイメージが強いのではないでしょうか。

実は、ちまきの見た目や中身は地域によっても、さまざまなようです。

西日本では、ちまきは細長い筒状の団子であることが多いです。ところが、北日本や東日本では、おこわを包んでいるものが目立ちます。鹿児島では、灰汁に付けた餠を笹で巻いたものをちまきと呼ぶそうです。団子の色も、白もあればヨモギ餠の場合もあります。

いずれにせよ、葉で米粉の食べ物を巻いている点は共通しています。

 

歴史・由来

ちまきは、中国から伝わった食べ物です。

その昔、中国の蘇の国では、屈原という詩人が国王の側近としてつかえていました。けれども、あるとき屈原は、国を追い払われることになり、ショックから川に身投げします。屈原を慕っていた人たちは弔いとして、川にちまきを投げ込んだそうです。

漢の時代になり、どういうわけか、屈原の幽霊が出るようになります。幽霊が言うには、「ちまきが自分の手元に届く前に、悪龍に食べられてしまう。悪龍はれんじゅの葉が苦手なので、次回からは、れんじゅの葉に餠をくるんで五色の糸で縛って、川に投げ入れて欲しい」とのこと。これが日本に伝わり、現在で言うちまきの始まりとされています。

日本では5月の端午の節句の頃は、急な暑さから体調を崩す人が多かったようです。そこで、縁起の良い葉でくるんだちまきを食べることで、厄除けを行うようになりました。これが、端午の節句にちまきを食べるようになった由縁です。

写真:おいしそうなちまき

 

風味・味

ちまきは、笹で巻いているものとチガヤで巻いているものとで風味が異なります。

笹の葉で巻いたちまきは、良い笹であれば、爽やかな笹の香りを楽しむことができるでしょう。包んでいる中身が、そぼくなおこわである場合、尚更笹の葉の香りが漂います。中に包んでいる団子がヨモギ餠であれば、ヨモギの香りも混じり、よりいっそう季節感も感じるはずです。

最近では、米粉の団子の中にこし餡を入れているちまきも多く、シンプルな和菓子でありながら、こし餡の甘さが口の中に漂います。

昔は、灰汁で煮込んだちまきが主流でしたが、その場合、灰汁の匂いが強くなります。好き嫌いもあり、最近では、食べやすい味の和菓子へと変化してきました。

和菓子店によっては、中の餡を栗餡などにアレンジしているものもあり、子供からおじいちゃんおばあちゃんまでが、美味しく食べることができる和菓子として人気を呼んでいます。

 

和菓子分類

製法での分類:生菓子

水分量分類:餅物

 

主な材料

上新粉、餅粉、砂糖

※一般的な材料を記載しています。詳しくは製造元に問い合わせてください。

 

カロリー(概算)

1個(50g)で、77Kcal

 

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