写真:代表的なおはぎ
特徴
一口におはぎと言っても、地域によって使用する材料や見た目が大きく違います。
いくつかある種類の代表的なものとして挙げられるのが、小豆だけを使用したおはぎで、見た目が赤紫色となっているのが特徴です。
この小豆と並んで目にする機会が多い種類として、鮮やかな黄色が目を引く黄な粉のおはぎがあります。
おはぎは3種類で販売されるのが一般的ですが、前述した2種類に加えた残り1個に地域性が出やすいと言われていて、東日本で馴染みが深いのが黒ゴマです。これは文字通りあんこにゴマを振りかけたおはぎになります。
一方、西日本で古くから親しまれているのが、青のりを使用した物で、目に優しい緑と風味が特徴です。
そのほかにも、東北ならではの「ずんだ」を使用したおはぎや、あんこを使わずにお餅にきな粉だけをまぶした物もあります。
歴史・由来
おはぎの歴史は江戸時代にまで遡り、1600年代後半に記された書物に、庶民の食べ物として日常的に食されていたという記述が残されています。
日本では、古くから赤には魔除けの力があると考えられていて、祝いや儀式の時に小豆を使用した料理を捧げものとして祀っていました。
こうした習わしから、お彼岸の時に五穀豊穣のお餅と魔除けの小豆を使ったおはぎを、ご先祖様にお供えするようになったと言われています。
名前の由来は秋の七草の一つである萩の花が、小豆の形状に似ていることが理由です。
そのため、漢字で表記する場合には「お萩」と書きます。
おはぎは、ぼた餅と混同されることが多い食べ物で、明確な違いについて知らない人も少なくありません。
おはぎとぼた餅に大きな違いはなく、春に咲く牡丹の花から取ったぼたもち、秋に咲く萩の花のおはぎという形で分類するのが一般的です。
写真:おいしいおはぎ
風味・味
使用されている原料によって、風味や味が変わるのが、おはぎの特徴になります。
おはぎの基本ともいえる小豆だけを使用した物は、製造工程で使う調味料がポイントです。
砂糖を多めに使用している場合は、食べた時に口の中一杯に甘さが広がりますが、量を少なくするとさっぱりとした味に変わります。
東日本で馴染みが深いと言われる黒ゴマのおはぎは、あんこの甘さと共にゴマの食感や風味が味わえることで人気です。
西日本で一般的と言われる青のりを使用したおはぎも、黒ゴマと同様に甘さと海苔の風味を感じられます。
ただし、青のりは油分や香りが強い黒ゴマに比べると味が薄く、これは薄味を好む関西ならではの文化です。
そのため、おはぎに使用するあんこやきな粉も東日本に比べてさっぱりとした味わいとなっています。
東北ならではの「ずんだ」を使用したおはぎは、枝豆やそら豆の独特の香りと食感を楽しめるのが特徴です。
和菓子分類
製法での分類:餅物
水分量分類:生菓子
主な材料
小豆あん、きなこ、ゴマ、青のり、米、洗双糖、砂糖
※一般的な材料を記載しています。詳しくは製造元に問い合わせてください。
カロリー(概算)
1個(約70g)で、180kcal