和菓子辞典

おこしの特徴・歴史・味

イラスト:代表的なおこし

特徴

「おこし」と一口に言っても日本各地に様々なおこしがあります。

その中でも、大阪府の「岩おこし」、「粟おこし」と東京都の「雷おこし」が有名です。細かく砕かれた米を水飴で固めている岩おこしはかなり固いのが特徴です。

粟おこしは荒めに砕かれた米が使われているので軽めの歯触りが特徴になっています。雷おこしについては、従来は固いものが主流でしたが、現在は柔らかく食べやすいように改良されたものが人気です。柔らかいおこしと言えば、おこしの間に抹茶飴が挟まれている愛知県の「ゆたかおこし」というものもあります。

おこしの形は基本的には四角形ですが、京都府では一般的に三角形のおこしが作られています。近年では、ポップにアレンジされた可愛いおこしも人気があり、SNS映えするおこしとして注目を集めています。

大きさについても、食べやすいように一口サイズになっているものが多く登場しています。

歴史・由来

おこしの歴史は古く、遣唐使が日本に持ち込んだ「唐菓子」にその原型があるとされています。

その後、日本人の口に合うように改良が重ねられていき、江戸時代には庶民でも手軽に作ることができるお菓子としておこしは日本全国に広まっていきました。

大阪は江戸時代に「天下の台所」と呼ばれ、質の良い米や飴が安価で手に入ったことから粟おこしの製造が盛んになりました。岩おこしについては、江戸時代に大阪で運河工事がなされた際に、たくさんの岩が出てきたのを見た大阪人が「大阪の掘り起こし、岩起こし」 という駄洒落を言ったことと、固いおこしをかけたことが、岩おこしの名の由来であると言われています。

東京の雷おこしは「雷よけのおまじない」などの謳い文句で売られていたことに由来するとされています。

おこしは「家をおこす」、「名をおこす」などと言われて、縁起のいい食べ物であったとも言われています。

イラスト:おこし

風味・味

おこしは基本的には原料の米を水飴で固めたものですが、日本各地でおこしの味は異なります。

大阪の岩おこしは生姜が混ぜられていて、少しピリッとした味付けになっています。東京の雷おこしにはピーナッツなどが混ぜられています。他にも、ゆず風味の京都のおこしや、米を使わずにゴマやピーナッツを水飴で固めてきな粉をまぶした岐阜の「しこらん」など、おこしの味はバラエティーに富んでいます。

独自のおこしを販売しているお店もあり、現在は独創的なおこしがたくさんあります。チョコレートなどの洋菓子と融合させたおしゃれなおこしや、一風変わった「カマンベールチーズおこし」や「マヨネーズおこし」など、斬新な風味を楽しむことができるおこしを買い求めることができます。

 

和菓子分類

製法での分類:掛け物

水分量分類:干し菓子

主な材料

米、水あめ、栗、ごま

※一般的な材料を記載しています。詳しくは製造元に問い合わせてください。

カロリー(概算)

未調査

 

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