和菓子辞典

黒糖まんじゅうの特徴・歴史・味

写真:代表的な黒糖まんじゅう

特徴

黒糖まんじゅうは、その名の通りまんじゅうの生地に黒砂糖を練り込んだ和菓子です。小豆を使ったあんこを黒糖入りの生地で包み、ふっくらと蒸しあげることで仕上げます。

あんこは店によって粒あん、こしあん、小倉あんなどの差はありますが、生地の風味を邪魔せず、口当たりが滑らかなこしあんを使っている場合が多いです。

全体的に茶色く地味ではありますが、表面はつやっとした光沢があります。

サイズは手のひらで隠れてしまうくらい小ぶりなものが多く、ちょっとしたお茶うけにもぴったりです。

また、温泉街でお土産として売っていることも多く、手土産はもちろん、食べ歩きスイーツとしてもうってつけです。

店頭でふかしていることがあれば、お土産用とはひと味違う、できたてのおいしさを味わうことができます。

歴史・由来

黒糖まんじゅうが温泉街で売られていることが多いのには理由があります。

かつて、黒糖まんじゅうは生地に温泉の湯を使ったり、饅頭をふかすのに温泉の蒸気を使っていました。このことから温泉饅頭とも呼ばれるようになったのです。

最初にこの饅頭を作ったのは群馬県の伊香保温泉と言われています。伊香保温泉の茶褐色の湯を表現するために生地に黒糖を練り込んだのが始まりだと伝えられているのです。

全国に広まった背景には、昭和天皇が関係しています。

1934年の陸軍特別大演習で昭和天皇が群馬県に行幸された際に、この饅頭を大量に購入されました。このことに影響され、伊香保以外の温泉地でも、黒糖まんじゅうを作るようになり、温泉まんじゅうとして有名になったというのが黒糖まんじゅうの歴史です。

写真:おいしい黒糖まんじゅう

風味・味

黒糖まんじゅうは、生地に練り込まれた黒糖の香りが特徴です。こってりとした深い味わいは緑茶やコーヒーと相性が抜群。濃厚な香りとはうらはらに、ふんわりと軽い食感と小ぶりなサイズ感は、いくつでも食べられそうな気持ちになります。

また、中に包まれるあんこは、生地とのバランスを考えて甘さ控えめ。黒糖の香りをひきたてる上品な甘さなのです。

黒糖まんじゅうは蒸し上げて作るため、時間が経つとかたくなってしまいます。お土産などでたくさんの数をもらった場合は蒸しなおすとふっくらとした食感が復活します。

濡れたキッチンペーパーで包み、レンジで5秒~10秒ほどあたためても同じようにふっくらします。少し手間がかかりますが、天ぷらころもをつけて油で揚げると、カリカリとふわふわの両方を楽しめる新しいおいしさを味わえます。

和菓子分類

製法での分類:蒸し物
水分量分類:生菓子

 

主な材料

薄力粉、強力粉、黒糖、小豆あん、砂糖

※一般的な材料を記載しています。詳しくは製造元に問い合わせてください。

カロリー(概算)

1個(約50g)で、132kcal

 

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