和菓子辞典

酒まんじゅうの特徴・歴史・味

写真:代表的な酒まんじゅう

特徴

酒まんじゅうは、一般的に白くてふんわり丸い形状のお饅頭が多いです。全国各地の和菓子屋さんやスーパーなどでも購入することができるでしょう。

もち米や米麹を使った酒種を小麦粉と混ぜ生地を発酵します。その生地の中に小豆の餡を包んで蒸すと酒饅頭となるのです。生地は酒種による発酵で、ぷっくりと膨れます。お店によって作り方は少しずつ異なり、酒粕やベーキングパウダーを使うこともあるようです。

酒種に含まれるアルコール成分は蒸すことで蒸発してしまいますが、アルコールがなくなってもお酒の香りやうま味が残り、風味豊かな酒饅頭となります。

香りと優しい甘みが特徴で、日本酒好きにはたまらない和菓子でしょう。

和菓子屋さんによっては地酒を使用した商品もあり、お店によって味の違いを楽しめます。

お酒が飲めない方でも、香りやしっとりとした生地と餡のコラボレーションを楽しめる和菓子です。

歴史・由来

「酒まんじゅう」という名前は、生地に使用する酒種を作る工程が、日本酒を作る時の工程と似ていることから、このような名前がつけられました。出来上がった饅頭もお酒の香りが残るため、ピッタリのネーミングですね。

饅頭の歴史は古く、中国の三国志の時代にさかのぼります。諸葛孔明が南蛮征伐を行う際に、暴れる河を鎮めるためお供えしたものが饅頭と言われています。小麦の皮で肉を包んだものが、当時はお供え物として使われていました。

日本に伝わったのは、鎌倉、室町時代と言われ、僧侶たちによって日本に広められました。精進料理の考えから中身が肉から小豆などの穀物を利用するようになっていったということです。

酒まんじゅうは、酒種を生地に使うことによって風味や生地のしっとりもちもち感をだして、より美味しく饅頭を食べようという和菓子職人の工夫が込められています。

現在では、お祭りや祝い事などの行事に酒まんじゅうが使われていることが多いですが、日常のお茶うけ和菓子としてもポピュラーなお菓子となっています。

写真:おいしい酒まんじゅう

風味・味

酒まんじゅうの皮は、お酒の風味が残り、日本酒の柔らかい香りがふわっと感じられるでしょう。蒸しているので、アルコール分が熱によって飛んでも、お酒の香りがしっかりと残っています。

作っているお店によって、使用されている酒種の種類や量が異なり、香りの強さやうま味成分などのバランスがそれぞれに違います。お店によって、味の違いを楽しめるのが酒まんじゅうの1つの楽しみとも言えるでしょう。

生地が酒種の効果で発酵しているため、ふっくらとしたふくらみと、しっとりもちもちとした食感を楽しむことができます。

一般的に中身の餡は、こしあんが使われていることが多いようです。滑らかなこしあんは生地との相性も抜群です。

緑茶やほうじ茶との相性も良く、お茶うけとして楽しめる和菓子でしょう。シンプルな見た目でも、深い味わいを楽しめる一品です。

和菓子分類

製法での分類:蒸し物
水分量分類:生菓子

 

主な材料

酒種、薄力粉、水、砂糖、こしあん

※一般的な材料を記載しています。詳しくは製造元に問い合わせてください。

 

カロリー(概算)

1個(約50g)で、132kcal

 

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