和菓子辞典

有平糖の特徴・歴史・味

イラスト:代表的な有平糖

特徴

有平糖は作成工程の中で、様々な形を作り上げることが出来ます。

有平糖は砂糖に水を入れて、更に少量の水飴を加え、煮詰めて作られます。煮詰めたものを急激に冷やすことで固いあめになりますが、冷えきらないうちに引きのばしたり着色をすることで、棒状のもの(有平棒と呼ばれるらせん状で棒状のもの)や精巧な細工や花や果物に模した形など様々なものになります。

このように飾り菓子として様々な形を作り出す事の出来る有平糖は、とりわけ京菓子司により風流で優雅なものになっていき、干し菓子の仲間入りをしながら、ひな祭りなど飾り菓子や祝儀菓子、供物、茶席での添え菓子として使われています。梅干しあめや鰹節あめなどもこの一種です。

また、有平糖で花や鳥、魚を作ることを有平細工といいます。

歴史・由来

ポルトガルやオランダなどから伝わってきた菓子のことを南蛮菓子といいますが、有平糖も金平糖やカステラ、ボーロなどと共に南蛮菓子として南蛮交易期に日本に渡来しました。そのため、有平糖は「アルヘイトウ」と読みます。

砂糖や砂糖菓子のことをポルトガル語では「アルフェロア」といいますが、それが徐々になまり有平糖を「アルヘイトウ」と呼ばれる由来になったといわれています。

また、有平糖の原形は語源と同様に、ポルトガルの砂糖菓子であるアルフェロアや、アルフェニンといわれています。

有平糖は室町時代末期、16世紀後半から17世紀前半の南蛮交易期に伝えられた菓子です。

製法について1718年に刊行された古今名物御前菓子秘伝抄や、1715年に刊行された和漢三才図会などで作り方や形状などが記されています。

イラスト:おいしい有平糖

風味・味

有平糖が渡来したとされる江戸時代には、砂糖はとても貴重なものでした。

高貴な身分の人たちが茶席で食べたり、祝い事など折々に食べるものでした。

有平糖は庶民にとって、とても高値のものでした。もっと気軽に庶民も食べることが出来るようにと、創意工夫を重ね梅干しあめと呼ばれるものがつくられました。

名前から想像すると酸っぱいイメージをしてしまいますが、棒状に伸ばした紅い飴をはさみで切り、切り口を指でつまむことで、形状がまるで梅干しのようであることからこう呼ばれるようになりました。

有平糖はパリパリっとした軽やかな食感で、まるでキャンディのようにも感じられますがキャンディのような飴とは異なり、さっぱりした素朴な味わいです。

また、金平糖で使われる砂糖とは異なる素材でつくられています。甘いものを目や口で楽しむ和菓子のようなものといえます。

和菓子分類

製法での分類:飴物

水分量分類:干し菓子

 

主な材料

砂糖、水、甘味料、水あめ、でんぷん

※一般的な材料を記載しています。詳しくは製造元に問い合わせてください。

 

カロリー(概算)

水あめ大さじ1杯で69kcal

 

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