和菓子辞典

三色だんごの特徴・歴史・味

写真:代表的な三色だんご

特徴

三色だんごはその名の通り、ピンク・白・緑の三色のおだんごを串に刺した和菓子です。

別名、お花見だんごとも言い、桜のお花見の時期に和菓子屋さんの店頭に並んでいるのをよく見かけます。見た目からも春を感じられるかわいらしいパステルカラーが特徴です。

あんこやみたらしなどがかかっていない分シンプルですが、飽きのこない、だんご本来のおいしさを活かした定番の和菓子です。

串にささっているのでお花見など戸外でも食べやすく、長年日本人に親しまれてきました。

三色の順番も決まっており、上からピンク、白、緑となるのですが、それぞれの色にも意味があります。

ピンクは桜の花を、白は残雪を、そして最後の緑は雪の下に春を待っている草を表しているのです。

待ちわびた春を喜ぶ気持ちが一串のお団子に込められています。

歴史・由来

三色だんごの歴史は桜のお花見の歴史と重なります。

豊臣秀吉が慶長3年3月15日に催した京都の醍醐寺におけるお花見、いわゆる「醍醐の花見」にお茶菓子として来客に振舞ったのが三色だんごの始まりです。

それまでの花見は飲食をともなうような宴ではなく、歌を詠んだり、舞や音楽を楽しんだりといった貴族の遊びでした。桜を愛でながら大勢で飲食するスタイルがここから庶民にもひろがり、それとともに三色だんごがお花見に欠かせない和菓子として定着していったのです。

この三色は桜・残雪・草を表しますが、その他にも意味があるとされています。

もともとピンクは紅色であり、紅白饅頭などにもあるように紅と白の組み合わせはとても縁起が良いとされています。そして緑色というのは生命力を感じさせ、邪気を払う色とされているのです。

また、他にもこの三色は季節を表しているという説もあります。ピンクは春、白は冬、緑は夏。秋を表す色がないのは「秋がない」=「飽きがこない」にかけているのです。

写真:おいしい三色だんご

風味・味

三色だんごは上新粉やお砂糖をメインにしたシンプルな材料で作られています。

白いおだんごは寿甘(すあま)とも言われ、おだんご本来の味ですが、ピンクと緑のおだんごには色や風味の元になる材料を加えます。

着色料でピンク・緑の色をつける場合もありますが、多くの和菓子屋さんではピンク色には梅や赤しそ、もしくは桜の塩漬けなどを練り込んでいます。緑色にはよもぎや抹茶を練り込んでいます。

白いおだんごはやさしい甘さともちもち感を活かした基本的なおだんごの味ですが、ピンクと緑のおだんごは入れる材料によって味・風味も変わってきます。

ピンクは口に入れると梅・赤しそ・桜の香りがそれぞれふんわりと漂いますし、緑のヨモギもさわやかな香りがするでしょう。抹茶の場合は、香りとともにほろ苦さが甘みの中に感じられることと思います。いずれにしてもやさしい風味付けで、そこはかとなく感じる三色三様の味と香りに和菓子の繊細さ・奥深さが感じられます。

和菓子分類

製法での分類:餅物
水分量分類:生菓子

 

主な材料

餅粉、上新粉、団子粉、砂糖

※一般的な材料を記載しています。詳しくは製造元に問い合わせてください。

カロリー(概算)

1本(67g)で、124kcal

 

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